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08-05-23 17:22
[決意]
消防の頃、朝学校へ行く時首輪を付けてヒモを引きずった犬が家の前にいた。
きっと飼い主の手を逃れてどこかからやってきたんだろうが、
馬鹿な俺はそんな事も考えずにただ可愛いと思って犬と一緒に学校へ行った。
今でこそ猫派だが、消防の頃は犬が大好きだった。
祖父の家に行った時だけその近所の家の犬を散歩させて貰えたのだが、
もしかするとこの犬を飼えるかもしれない、毎日一緒に散歩ができるかも、名前は何にしようか、
ひたすら希望を胸に抱いて学校に着いた。
流石に校舎内には連れていけない為、校舎裏の目立たないところに繋いでおいた。
放課毎に会いに行った。友達もいなく いつも1人で絵を描いていた俺にとっては物凄く幸せな気分だった。
放課後、家に連れて帰ろうと校舎裏に向かったら犬が見当たらなかった。
正直かなりがっかりしたが、きっと自分で逃げたんだろう、
1人で自由にしてる方が幸せなんだろうと思って諦めた。
2週間後の月曜日、朝の朝礼で校長がマイクの前で
校舎裏に犬が繋がれていた、飼い主らしき人が探し出せなかったので犬は保健所へ連れていきました
と言った。
俺が連れてきた犬だと言う事はわかっていたが、保健所の意味を知らなかった俺は
語感だけで きっと犬を保護して大切に飼ってくれるところなんだろうと解釈した。
後日、不安になってちゃんとした意味が知りたくなった俺は 
母親に本当の意味を聞いた。
泣いた。俺が犬を殺したんだという罪悪感と悲しみに押し潰されそうになった。
放課に抱きに行った時のあの毛の温かさを思うと涙が止まらなかった。
これから一緒に思い出を作ろうと希望を抱いた対象を 俺が殺した。
もしかすると誰かが引き取ってくれたかもしれない そう思うと少しは落ちついた。
それでも長くは続かなかった。2ヶ月近くはずっとあの犬の事を考えていたと思う。
最後に出した結論は 大人になったら保健所に送られた犬や猫を救おう という事。
身のほど知らずな話だが 俺は絶対にやると決めた。

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