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08-05-23 18:31
[永遠の大親友]
時代は小型犬ブームですが、私はシェパードが大好きです。
昔、いじめられっこだった私の大親友になってくれたのが、広い犬のシェパードのガルダです。
土地開発が進む中、家のすぐ傍の工事現場になぜか連れてこられていたガルダは、
工事半ばで放り投げられた土地とともにその現場に置き去りにされていたのでした。

当時私はまだ小学生でしたが、よく一緒にお散歩にも行きました。
父親が散歩に連れて行くと、引きずられる父親を横目にタッタタッタ走ってマイペース君なのに
私のときは傍にピタッとくっついて、ニコニコお散歩してくれました。
いじめられては泣いて帰る私の唯一の楽しみが、ガルダと過ごす時間でした。

そんなある日
学校から帰宅途中、全然知らないお兄さんがとめた車越しに話してきて
小声でモゴモゴとどこかの場所を訊いてきました。
本当、なんて言っているかはわからなかったのですが、
どうやら海までの道程を訊いているみたいでした。
海は実家の二階の窓から見えるほど近い場所にあって
「海まで車に乗って案内してくれないかな?」と言われて
おバカな私は「いいよ」って。

そのとき、「ガアァァアッ!」と黒い影が
開いた車の窓に向かって飛び掛っていきました。
最初は何事か理解できなかったのですが、そこには紛れもなくガルダの姿がありました。
大きなナリの癖に日向ぼっこが大好きで、かえるが怖いガルダが
なぜそんな大声を上げて吠えたのか私にはわからず
「ガルダ!やめなさいガルダ!」と必死になって止めていました。
当のガルダは咬みつかんばかりに吠え続け、
お兄さんは急いで車を出して走り去ってしまいました。
ガルダは私の隣に戻りピタリとくっつくと、その車が見えなくなるまで吠え続けました。

家に戻って事情を話すと、母親に
「あんたは誘拐されそうになったんだよ!」と怒鳴られ
人助けと思っていた私は、母の怒りに理不尽さを感じ
ガルダの隣でワンワン泣きました。
そのときもガルダはずっと隣にいてくれました。
後の母の弁によると、夕方の散歩の為リードを着けようとした隙に、
一目散にどこかへ走って行ったそうです。

私の大親友はもう天国へと旅立ってしまいましたが、
幼女誘拐が世間を騒がせた時代です。
今の私があるのは、ガルダのおかげだと思っています。
ありがとうガルダ。ガルダは永遠の大親友です。
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