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08-05-23 18:35
[タロの死]
小学6年の冬、私が生まれる前から家にいた犬のタロが死んだ。
17、8年生きていたから、結構なおじいちゃん犬。
タロはいつも庭でひなたぼっこしていた。
年のせいか吠えることもなく、ずっと眠ってばかりだった。
ある日、いつものように帰宅すると、タロが庭の隅に追いやられていた。
「なんだろう?」と思い家に入ると、母が泣きながら「タロは死んだんだよ」と教えてくれた。
「ああ、死んだんだ」って思いと、「嘘だ」って思いで頭の中ごっちゃになって、すぐにタロの傍によった。
撫でてやるとすごく冷たなっていて、死の実感と同時に涙が溢れた。
なんでその日に限って、家を出る前に一声でもかけてやらなかったんだろう。
なんでもっと可愛がってやらなかったんだろう。
そこにいることが当たり前過ぎて、朝方死んだのか、昼に死んだのかもわからなかった。(死んだ時も、いつものようにまるまって眠っていたため)
残ったのは後悔ばかりで、「ごめんね」をずっと繰り返してた。

後に祖父に聞いた話なんだけど、タロが死んだ日の夜(早朝)、吠えることが無くなっていたタロが一度だけ吠えたらしい。
残したその意味はわからないけど、タロの「ありがとう」という意味だったと信じたい。


あれから五年以上たった今、新たに犬を飼うことになった。
タロとはまったく違った犬種、大きさ、室内犬となって、勝手も違い初心者同然。
新しい家族に幸せに育ってもらうためと、後悔だけはしないように、タロで学んだ思いを無駄にはしない。

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