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08-05-23 20:16
[大和心とポーランド魂]
「何時までも恩を忘れない国民である」との言葉は、阪神大震
災の後に、実証された。96年夏に被災児30名がポーランドに
招かれ、3週間、各地で歓待を受けた。

 世話をした一人のポーランド夫人が語った所では、一人の男
の子が片時もリュックを背から離さないのを見て、理由を聞く
と、震災で一瞬のうちに親も兄弟も亡くし、家も丸焼けになっ
てしまったという。焼け跡から見つかった家族の遺品をリュッ
クにつめ、片時も手放さないのだと知った時には、この婦人は
不憫で涙が止まらなかった、という。

 震災孤児が帰国するお別れパーティには、4名のシベリア孤
児が出席した。歩行もままならない高齢者ばかりであるが、
「75年前の自分たちを思い出させる可哀想な日本の子どもた
ちがポーランドに来たからには、是非、彼らにシベリア孤児救
済の話を聞かせたい」と無理をおして、やってこられた。

 4名のシベリア孤児が涙ながらに薔薇の花を、震災孤児一人
一人に手渡した時には、会場は万雷の拍手に包まれた。75年
前の我々の父祖が「地球の反対側」から来たシベリア孤児たち
を慈しんだ大和心に、恩を決して忘れないポーランド魂がお返
しをしたのである。
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