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[ずっと側にいて]
あなたはベタベタするのが嫌いでしたね。

布団の中で,ギュッとして。と頼んでもイヤだと言って何もしてくれなかった。

ある日あなたはこう言った。

「たまには抱きしめて寝てやるよ」

私はちょっと驚きながらも嬉しさと幸せで胸一杯になって
その日はあなたの腕の中で眠りにつきました。

次の日あなたは
「出掛けてくるよ」
と言いました
「行ってらっしゃい」
そう言った私に優しく微笑みかけ,今までで一番優しいキスをくれました。

そして出ていきました

あなたは帰ってきませんでした

笑顔のない人形になって
これから消える存在として帰ってきました

人は死ぬ前,必ず無意識のうちに変わった行動をとると言います

急に優しくならないでよ

急にあたしの我が儘を叶えないでよ

そんなのいらない

いらないから

ずっと側にいてほしかった

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[セ編集]