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[人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。]
どんなに細かいところでも、そのままに写して出してくれる鏡と、何となく歪んでいて、自分が見たいところを見たいようにしか写さない鏡があるとしたら、あなたはどちらを選びますか。私たちは、知らず知らずのうちに、歪んでいる鏡を選んでいることが多いようです。どうも私たちは、あんまり細かいとこや、見たくないところに気付きたくないと思ってしまうようですね。ちょっとあなたの周りにいる人を考えてみてください。あなたに、手きびしい意見を言ってくれる人がどれだけいるでしょうか。いろいろ批判してくれる人がいるでしょうか。人間は他人との出会いを通して自分の姿を振りかえることになります。そう考えると、もしまわりにきびしい意見を言ってくれたり、自分が気づかないようなことを指摘してくれる人がいれば、とても役に立ちます。ところが、多くの人はそうゆう人を敬遠し、少々のことには目をつぶって自分を受け入れてくれる人のところを好みます。これを鏡にたとえてみたままです。自分の成長の為には、あいまいな鏡よりは何でもはっきりと写る鏡の方が、意味があるようですね。もちろん何でもかんでも批判されるのも、つらいものですが、人間は外界の色々な刺激によって、自分を見つめることができるのです。難しいことに出会うと工夫して乗り越えようとしますし、思うようにいかないことがあると、はじめて自分のあり方や行動を振り返るようになるのではないでしょうか。他人という鏡は、そのきっかけを与えてくれるのです。よく嫌な上司や先輩がいて、職場へ行くのがつらいという人がいますが、もし、あなたの職場に、とてもきびしい先輩や上司がいたとしたら、その存在に感謝してみましょう。その人は、あなたに嫌われ、自分が嫌な気分になるのを覚悟で、そんなきびしい事を言ってくれているのですから。大事な鏡だと思えば、今日はどんなことを写してくれるかなぁ、と職場へ行くのも楽しみになるのではないでしょうか。その方が、精神衛生上もいいようですね。そして、その他の関係の人でも、あなたが今気づくべき事は
、誰かがちゃんと写してくれているもののようです。人は、必要なときに、必要な人と出会うようになっているようですから。逆にその人にとっても、あなたはすばらしい鏡なのかも知れませんね。 

森信三(教育者)・・・
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